コロナ警戒レベル2初日 〜期待と不安〜
5月11日月曜日に首相会見で、”5月14日木曜日からレベル3からレベル2にコロナウィルス警戒レベルを引き下げる””ということが発表され、今日晴れてレベル2となった。
※ニュージーランドはコロナウイルス警戒レベルを次のように4段階に設定している。
レベル4 Lockdown ロックダウン 封鎖
レベル3 Restrict リストリクト 制限?
レベル2 Reduce リデュース 削減??
レベル1 Prepare プリペア 準備???
近くを走る車の音が確かに増えているように聞こえる。
きっと鳥たちは"今までの静けさは何だったんだー"と驚いているだろう。
今日から再開される会社が多いという。
とはいえ学校再開は5月18日月曜日からということになっており、ウチでは特に変わった動きはない。
3月26日からレベル4が始まり
4月28日からレベル3、
そして
5月14日からレベル2
と今のところ順調に人々の自粛の効果が現れているのかと思う。その他、季節的に気候的にコロナ対策を後押ししてくれる要因もきっとあるんだと思う。
子どもと向き合う日々
レベル4の最初の頃は試行錯誤で、毎日何かアクティビティを用意して、
時々YouTubeやDVDを利用して、
ほぼ毎日ドキドキしながら散歩や買い物のために外出したりした。
レベル3になるとそういう非日常な日常に慣れ、
外出を2、3日しなくても平気になっていた。
そして私はいろいろとやることが出てきてしまい、子どもとじっくり向き合えた時間はあんまりなかった。こういう状況は双方に良くないと思いつつ、毎日の流れを滞りなく進めることだけに専念した。
プレスクールによるZOOMを使ったセッションは、毎日10分から25分ぐらいだったが、毎日のリズムをつけるのにとても助かった。
毎日10時半から始まるZOOMセッションの前に、朝ごはん、顔を洗って日焼け止めを塗る、着替え、そして私は洗濯機を回し始めるといった具合。
ZOOMセッションの流れで、午前中からランチまで遊んだり隣の空き地で日に当たる。
ランチから夕方までは、何か用意したアクティビティや散歩など、そしてYouTubeKids(ありがたやー)で、それから晩ご飯。少し遊んでお風呂、歯磨き、寝かしつけの絵本。
大人だってコロナ自粛で戸惑っている。子どもは更に何していいかわからないだろう。もっと何をして遊ぼうか具体的に導いてあげられればよかったと思う。
お絵描きが好きで近ごろ謎のキャラクターが頻繁に登場してくる。手作り絵本に登場させたり、実益も兼ねてLineスタンプを親子で作ってみてもよかった。
来週月曜日から学校にまた通い始めるのを考えると、早寝早起きの習慣をつけるようにしなくてはー。
レベル2の空気感
夕方、2日ぶりに外に出て、店が立ち並ぶ通りまで散歩した。
レベル3では開いているのはデイリー(いろんなものを売っているコンビニのような存在)や、覚悟を決めて支払いや商品の受け渡しの際のコンタクトレスな方法を導入した食べ物屋さんぐらいだった。ぱっと見、期待してるほど利用者が多くなさそうだった。
今日からのレベル2では9割ぐらいの店舗が営業を再開したようだ。
中でも赤白青白の目印の理容店では、外に並べた椅子に何人もが前へならえ状態で座っているほど盛況だった。店内で人が距離を保つのにも限度があるし、なによりこのロックダウンからの7週間は理容店が開いていなかったから仕方ない。店内では順番待つ人たちの視線を受け、しばらくはハサミを持つ手の気が休まないだろう。
ナン焼き窯がアイキャッチーなオシャレめなレストランは、食べ物屋さんで他のどこよりも賑わっていた。この何週間、営業再開を待ちわびていたお客さんが自由の味を求めてやって来ている。店内ではポスターが貼ってあった。フリーフードインニード、必要とあらば食事無料提供。じんわり心が温まった。応援キャンペーンがいつまでかわからないが、顧客の明日の活力となり顧客の心をつなぎとめるにじゅうぶんな粋な心意気である。
確かに、ロックダウンを契機に失業率が上がっている。コロナウイルスにより、観光業、小売業、ホスピタリティ業界などなど、国の産業構造を変えていくことになるだろう。数ヶ月前には誰もが予想できなかったことだ。
ニュージーランド財務省の週間レポートでは、電力需要、交通量、求職者支援件数、貨物量、家計消費内訳、賃金助成金総額などなど、さまざまな指標の変化を目で追うことができそうだ。
期待と不安
レベル2初日は、道端に車を停めて、積極的にテイクアウト(ってよく言っちゃいますが正しくはTake Away)を利用する人たちも、足早に通り過ぎ、もうしばらく模様眺めをする人たちも、どちらも居るようだ。
あるテイクアウトの店ではうれしいのだろう、マスクを着用してない店員さんが押し気味にお客さんに話しかけて、お客さんのほうが後ろにおっとっとと思わずよろけそうになっていた。
レベル2での営業再開は、準備万全で臨み経営の立て直しに期待を膨らます店側と、便利だし大丈夫だろうと利用するも手放しで安心とは言えない不安な状況だと判断する客側とが、これから時間をかけてお互いの安心感をすり合わせていくのだろう。
相手は見えないコロナウイルス。毎日13時からの新規感染者数の発表に耳を傾けつつ、想像力を働かせて予防、封じ込めを進めていくしかない。
"安心してください"と言われたからといって、安心は得られない。
時間をかけてそれぞれが安心感を獲得していくのだろう。
帰り道、すれ違う人が"マスクするぐらいなら家にいて"風な眼差しをこちらに投げかける。ごめんなさい、私は今のところ安心を獲得してる途中なんです。と言いたかった。
予防のためのマスクの概念がない国での生活は、私の生活習慣を変えるかもしれない。現にコロナ以前の1年程の間でマスクしたのはカゼをこじらせた3日間ぐらい。
でもこの後に及んでは、やっぱりマスクは状況見てしたりしなかったりしましょ。