ハーブティーを作ってみました
○乾燥した地面にもたくましく成長
今年2020年、ニュージーランドのここオークランドでは降水量が少ないようで、コロナ第二章(最初のロックダウン明けの5月末から)は水使用の制限下に置かれている。ラジオを付けてると、事あるごとに"毎日20リッター節水してください"とハスキー気味な、ちょっと喉の渇いてる感じの男の人の声で言われ、節水励んでる毎日である。
ところで、ロックダウン期間中に開拓を試みた場所は、元々粘土質だったこともあり、乾燥して地割れも起きている。
芝刈り業者にためらうほど芝が少なく雑草が生い茂る空き地の中でとりわけ旱魃化が進むその場所は、とりあえずなんでもいい、芝でも雑草でも、そこを何かで覆わないと、地面の蓋を開けている状態で、周りの芝や草が生えている場所までも干からびさせる気配をのぞかせる。
そんな条件下でも10月中旬からぐんぐん成長し続けているのが、小さな白い花びらを軸の周りにつける雑草だった。背丈のあるものはヒョロヒョロと6、70センチほどにもなっている。
昨年の今頃その場所は、紫色のモヒョモヒョしたフサフサした花?をつける草花に駆逐され、風が吹くたび5、60センチの緑と紫がワサワサと揺れていた。
その後空き地を面倒見なくてはならないと知ってから、慌てて花粉症の原因になるかもしれないモヒョモヒョを徹底して刈り取ったのだった。
そのために購入した芝刈り用エッジカッターは今でもエッジカッターとして使うことはほぼなく、安全に留意して草を刈るのに使うがとても重宝している。
モヒョモヒョフサフサは今年はあまり出ていない代わりに、その花びらを環状につける地味な花は目立って多い。
○昨年と今年の対応
その地味な花も風でユラユラ揺れるが、涼やかに見え、モヒョモヒョフサフサほどの繁殖力ではないだろうと、昨年はなるべく刈らないで残しておいたのだった。。
それが今年、
その地味な花をつける草が、
その場所に一面に
拡がっちゃってる。。
これは多様性を重視しているこの場所のはずが、
一目見てすぐ、
バランスを欠いている状態だ、
ということを察知できるだろう。
もしかしてその地味な花をそだててるのかといった誤解を招きそうなほどの箇所もある。
。
今年はこれを刈り取る。刈り取らねばならない。
○雑草で遊ぶ
だけどせっかくだから、
刈り取る前に、
この地味な花で花冠を作ってみるのはどうだろう。。
懐かしい。
昔はよくレンゲの花やシロツメクサで編んだものだ。
たくさん生えてるから、生えすぎてるから、惜しげもなくふんだんに使って花冠にする。
できた。
やっぱり地味だった。
他の花々で彩ってみた。
わーい。
子どもも満足そう。
花冠作りを満喫した後、早速その草花をエッジカッターで刈り始めた。
子どもは花冠をもっと作りたがって文句を言いながら家に入った。
もう本当にたくさん草花を刈った。
これがラベンダーだったら良いのに。。
ラベンダーは50センチぐらいに茂って成長してもおかしくなかった。
しかし昨年ラベンダーを植えたら、
プケコが引っこ抜き、
再度植えても、
プケコが引っこ抜き、
とうとう根っこだけになってしまった。。
プケコもあの香りに癒されていたのか、
薬効成分に助けられていたのか、
なんでラベンダーに興味を持つのかわからないが、あれ以来植えていない。
地植えにしない方が良いのかもしれない。。
ラベンダーの屋内栽培はあまり聞いたことないがー。
刈った草花を干し草の上に敷いて座ってみた。ヒョロヒョロした茎で通気性が良いのかもひんやりと気持ちいい。
子どもを呼ぶと喜んでその天然素材のラグに寝転んだ。
私も子どもと同じぐらい幼かったとき、近くの果樹園の藁の山に登ってはもぐって、その香りに包まれた。とっても心地よかった。
あんな大量な干し草は無理にしても、子どもに干し草のいいにおいを経験をさせることができてよかったと思った。
子ども時代に戻って草花を使った遊びを更に楽しむことにした。
野趣あふれる花瓶カバーを作ってみた。
なかなか涼しげな花入になった。
○草花の名前の調べ方
と、
この草花のことを全く知らないことに気がついた。
昨年はそのまま生やし、
今年はあわてて刈り取る。
さすがに人間の身勝手さを感じつつ、草花の名前を知っておいてもいいのかなと考えた。
いつものように日本の実家に写真を送って、専用のアプリで調べてもらってもよかった。
が、先日私は発見したのだった。
グーグルフォトの機能を。
グーグルフォトを使い始めたのは、このつい3、4ヶ月前だった。
2010年ごろからスマートフォン(アイフォン)を使っている者にしては、極めて遅いほうだと思う。
スマートフォンに撮りためた写真や動画を、Wi-Fi通信下で、無料版ではグーグルが解像度を下げてサイズを落としてどこかに(クラウドに)保存してくれる。念のためコンピュータやメモリースティック、DVDに保存することもある。そこまですればスマートフォンの写真は削除しても差し支えないだろう。こうしていつでもスマートフォンのストレージに悩まされることなく写真や動画を撮り続けることができる。
そして写真や動画をダウンサイズして保存してくれるだけでなく、
グーグルフォトアプリで、アップロードした写真の似たものをインターネット上から探し出してくれる機能もあり、草花の名前を知るのにとてもよい。
さすが、グーグルフォトさまー!
早速この地味な草花をしらべてみた。
○この地味な草花とは?
ヘラオオバコ
んーピンとこない。
ウィキってみると、
キク類
シソ類
シソ目
オオバコ科
オオバコ連
オオバコ属の
ヘラオオバコ
らしい。。
食用?
というか可食植物、エディブルフラワーかな?
葉がヘラ状だからヘラオオバコ、
とのこと。
そう言われてみればヘラに見えなくもない。
オオバコのような踏み付け耐性はない、
とのこと。
たくましそうだが踏まれ強くはないのか。
ん?
花粉症の原因になる。。
そうかー、
花粉症の症状が自分には出てはいなかったが、
もしかしたら近所に花粉症の人もいるかもしれなかった。
すっかり花が咲いてるものも多かったが刈り取って正解だった、としよう。
"ヘラオオバコはヨーロッパでハーブとして食用や薬用に利用され、家畜用飼料としても栽培されている。"
更にググってみた。
10年以上前の記事だが、"。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティー"をご紹介いただけるという。
採取は
"望ましいのは開花前の新鮮な葉を摘み取り、風通しの良いところでしっかりと乾かして保存"
とのこと、
早速探してみると、あるわ、ある。
葉の付け根には白い細い毛がモヒョッと生えている。それを軽く洗ってザルに入れ干してみた。2日間ほど干して、更にオーブンを使った時の予熱で乾かしてみた。
先の記事によると"ヘラオオバコは優れた咳止めハーブ"で、"熱を伴う肺や気管支の炎症にも消炎効果を発揮"とのこと。これは"抗生物質に近い含有成分"、"抗菌作用"があるかららしい。
なんだかそこら辺に生えているヘラオオバコが、ただの雑草から、なんか換金性のあるステキなものに見えてきた。
もしや、全世界で今問題となっているコロナに効果があるといいなあと思う。
自然界から出てきたものが、こういう自然界由来のもので治ると、本当はいいなあと思う。
○ハーブティー
天日とオーブンの余熱で乾燥させたヘラオオバコのハーブティーを入れてみた。
淡い緑色になった。
ちょっとすすってみた。
飲みづらくはない。
味が強くなくてほのかに草の味。
ん、食べたことあるんかーい。
いや、ないですが草の香りはする。
草の香りが苦手なら蜂蜜を少し加えるのが良さそう。
カラダの変化としては、
とても眠くなった。
毎日お通じがあるのに更に、もよおした。。
眠気が強く出たので、次にお茶をいれるときは時間を選ぼうと思った。
そしてお茶がもっとあったのだが、それ以上飲もうとは思わなかった。。
がぶ飲みできる類のハーブティーではなかったのかー。なー。
そしてふと目を向けると、1時間経っていないのにだんだん茶色く変色してきていた。
ますます飲もうとは思わなかった。。
ヘラオオバコはとってもたくさん生えてるけれど、どうも商売に結びつけられるようなものではなさそう。。
○雑草への向き合い方
そしてこれを書きながら、大げさかもしれないが刻一刻とヘラオオバコの茎がヒュンヒュンと伸び、白い小さな花びらの地味な花がたくさん咲いているのに気づいた。。
昨年のフワフワモヒョモヒョの紫色の花?をつける草の場合、葉も一緒に刈り取ることができた。
このヘラオオバコは、見事なまでに地表に葉が張り付いているように生えていたのだった。。
いくら茎の下から刈り取ったとしても、葉は通年そのままだし、もしかしたらここの土地で太陽光を一身に受け、ますます根を太くして、このままでは少数派の芝生も更に圧倒されてしまうほど勢力を拡大するかもしれない。。
昨年見過ごした結果がこうである。
そこで芝生が多いエリアではシャベルや小鎌を使って、ヘラオオバコの葉を地面からはがしてとることを始めた。
作業中、その地味な花と一緒に下の方には種がたくさんできているのがわかり、その場合は手のひらで種がまき散らさないように注意した。
その一方で、ロックダウン中に開拓を始めた場所で乾燥、旱魃化が始まっているところは敢えてヘラオオバコの葉をはぎ取らないようにしてみようと思う。
地表を覆うのが得意なヘラオオバコには、地表から水分を蒸発させないようにする働きがあるかもしれないと、その望みにかけてみる。
と、こんなにもヘラオオバコについて考えることも、お茶にして飲むなんてことも、ニュージーランドに来るまで、いや来ても何日か前までは全く想定していなかった。
今回の教訓としては、
シラミんのときと同様に、見過ごしてしまうと後になって大変。
特に昨年はよりによって、調べもしないでヘラオオバコだけ残しておいたという判断がまずかった。
そして自然の成り行きに任せると、時としてバランスを崩すこともあるから、人が介入する必要も出てくるのかな。
今回の検証で、ヘラオオバコのハーブティーを皆さんにお勧めするかしないかー。
答えが出ませんでした。(ズコッ)
皆さん各自ご判断くださいませー。