コロナ警戒レベル2 第9日目 更なるルーティンの始まり2
(前回の続き)
コロナウイルス警戒レベル4下のロックダウン期間が始まる頃に、空き地の一角を耕し始めた。
https://nanababa.hatenablog.com/entry/unexpectedly_busy1
空き地に生えている地味な木の、地面に近いところに枝を伸ばしたその先に、赤く色づいた実を見つけた。
いつの間に実が赤くなってたのかー。びっくりした。
なんだろう。謎は深まるばかり。
ところでこの実はなんだろう。
鳥が食べたり食べなかったりしてるけど。
木肌はサルスベリみたいにすべすべ系、実のひとつを取って指先で割ってみると、果肉は意外にも白く柔らかくて食用ではなさそうだけど、どうにかすると食べられるかな??この食糧自給率を上げたい時期に。
昨年引っ越してきた冬には確か葉をつけていて、常緑樹なのかなと思ったら、少し経ち冬の終わり頃から春にやっと?一部の葉っぱが色付きパラパラと落ちてきた。
その頃一度、"春に紅葉する木 木肌すべすべ"と検索をかけてみたが、結局謎は深まるばかりだった。落葉樹なのかな、と思ったら大半の葉は残り、季節の移ろいとともに緑を濃くしていった。
春から夏にかけて日差しが強まるにつれ、そこかしこでよく地割れを目にするようになり、そういう中で空き地に訪れる野鳥の水場になればと、とっての取れた鍋に水を汲み、謎の地味な木のつくる木陰においておいた。時々水を替えるたびに木の根元は少し潤ったようだ。
草を刈るたびに、刈り取った草を木の根元に置いてみたりもした。
こういう適当なケアによって、コロナ前は緑の葉が生い茂り、地味な緑の実をたわわに実らせていた。
隣人からのフィジョアの差し入れに、ウチにも果樹があればいいのになあと思った。
緑の食べられなさそうな実が赤く色付き、鳥たちが食べるなんて、鳥たちの果樹だったなんて想像していなかった。
なんだろう、誰か知ってる人いるかな。
植物にきっと詳しい実家に写真を撮って送ってみた。
”ぱっと見てわからないよ”、とのこと。
文明の利器登場!そしていよいよ明らかになるその正体はー
しかしその直後、”アプリ(有料アプリ)でわかったよ”、とのことであった。やっぱりそこまで植物に興味があるのね。
それでなんだって。。
え?ばんじろう?ばんじろう?
きみのばんじろう?
君の万次郎?!
誰?
ストロベリーグアバというものらしい。
予想外の植物で戸惑う。
赤く色付いた実をいただいてみる。すーーっぱい!想像するグアバの味とかけ離れている。ガセかー?
ルーティーンの始まり
ロックダウンがついに始まり、24時間就学前の子どもの対応に追われて、その赤い実の存在を忘れていたら、近所のおばちゃんがマスクなしで来て"食べてみた?あれ食べれるの知ってる?” よく見ると多くの実が更に赤く色付いていた。30年近く居てるとどこに何が生えてていつ頃食べどきかがわかるのであろう。
あらためて食べてみると酸っぱいが甘さも感じられた。そして渋味もある。種が噛めそうで噛めず、噛めなさそうで噛める、ザクロの種よりは硬い噛み応えである。
その日から、グアバがある日常になった。
2、3日ほど木になった実を摘み取っていたが、そこらじゅうに赤い実が落果しているのに気づく。踏んだりするとグチャッとなる。サンダルと足の間に入った時にはなんとも奇妙な踏み心地だった。地面にそのままにするとだんだん微妙な匂いになるし、見た目もよくない。
その日から実を摘み取るんじゃなく、落果した実を拾い集めることにした。
梅仕事ならぬ?
グアバ仕事が始まった。
- 朝(と夕方(ピーク時の3週間))、木の周りに落ちている実を全て拾う。鳥が食べてえぐられたものやグチャなものは別に集めて、それ以外のものは適当な鍋やボールにいれる。
- そこに熱湯を投入して2、3分待ち湯を捨てて布巾を敷いたトレイに拡げる。そこで傷んでいるとわかったものは別に集める。
- トレイに載った実は天日に干して乾燥させる。
- その後、1つずつ検品作業、虫食いやヒビ入ったものなどを先ほどの別のものに入れて、残ったものが上物!容器に入れて冷蔵庫、冷凍庫で保管して友だちに分けたりしている。
- 虫食いやヒビ入りのものは、包丁で大丈夫な部分を残したものを少しずつためて冷凍庫で保存して、後でまとめて大鍋でジャムを作る。
物資が不安定なロックダウン期間中、ジャム用にキビ砂糖を合計6、7キロ買い求めた。空き瓶も結構あったのが底をつき、エッセンシャルアイテム(最重要品?)として、ネットで24瓶購入するほど気合いがみなぎっている。
所要時間は
- グアバの木の周りを一通り、食用に出来そうなものとぐちゃまたは鳥の食べこぼしの仕分け作業に20分は軽くかかり、
- 食用に出来そうなもの2.5キロを洗って拡げて天日干しに30分、
- 検品作業に30分、
- ジャム用のグアバを準備するのに30分、
- まとめてジャムを作るときには種の裏ごし作業に45分以上
と、これはロックダウン期間中だからできたのだろうか。
グアバ仕事の詳細は別の機会に書きたいと思う。(需要がないかー。)
プラスアルファの作業
副次的にグチャやジャムにしなかったグアバをrubbish bin(回収ゴミ)に入れるとなると、果汁があるから微妙な臭い成分になっていくだろう。そうなるとおのずと解決策が限られてくる。
コンポストかー。
この数年でコンポストワークショップが盛んに開催されるようになっている。
ゴミ処理の件についてもまた後日書いてみたい。
コンポスト用の入れ物を買うとなると高いから、もらってきた木の板の端切れを2枚壁と組み合わせて三角をつくり、そこにグアバのグチャを入れていった。
それに飽き足らず、食事の準備で出た野菜くずや卵の殻なども加えていった。偏った栄養バランスが改善されるだろう。
回収ゴミの量は半分以下に減った。外の三角コーナーはすぐにいっぱいになった。
ここでもシャベルの出番。
まずは空き地の固くやせこけた土を掘って、
栄養ある土を作って、
土壌改良することから始めてみてもいいと思った。
グアバのグチャからのコンポスト、そして空き地の土壌改良は、本腰を入れるといそがしさで疲労度マックスになりそうなので、とりあえずはグアバのグチャや野菜くずがたまらないようにしたい。
いかにも働いてる手
グアバを拾う作業と、ジャム用B級品を集める作業により、私の指先はグアバの色素で紫色に染まり、かつ、おそらく強いクエン酸?により指先の表皮が荒れに荒れ、ひびが入るだけに収まらず、何度か割れたりして、ゴム手袋を使うようになるが、指先部分のゴムの損傷が続いたり、検品作業の際、実の圧を感じるのにジャマだったりで、結局、素手で続けた結果、グアバ仕事により指先の皮膚は表皮がゴアゴアで厚くなって、グアバ仕事のために特化している様相となった。
ただでさえ、コロナによる手洗いの励行や、コロナ期当初のアルコール品薄状況下での衣料用ブリーチ(次亜塩素酸なんとか)を希釈して殺菌に勤しむ日々を経て、手の表皮は未だかつてないザラザラ感が出ていた。そこに更なるグアバ果汁、想定外だった。
スマートフォンのロックを外すときの指紋認証は、3月中旬以降に何度も更新しているが、更新しても日々荒れていく手に、いつもパスコードを入力している。わずらわしいが仕方ない。
グアバ仕事がひと段落してからじっくりケアしようと思う。
思えば
今年に入ってから
- 洗濯物や寝具、お風呂の髪の毛ケアなど、シラミんの対応に追われ、
- 3月中旬からはコロナん、
- そしてロックダウンに伴い週7日24時間子ども対応も加わり、
- 4月中旬からグアバ対応が加わった。
グアバ食べないで捨てればいいか、とチラっと思ったこともあった。
履いて捨てるほどある、とはきっとこういうことなんだろう。
拾うそばから実が上から落ちてくる、なんてこれまでに経験したことがない。
これは傍から見たら、なんか贅沢なことのように見えるのだと思う。
きっと私も隣でそういう状況を目の当たりにしたらうらやましいと思うだろう。
いや、しかし修行か、これは。
どういう植物か知らないながらもなんとなく世話してきたのかもしれないし、
こちらに引っ越したのも何かのご縁、
こちらに住まわれた先人たちの思いを引き継ぎ、我々がこのおうちにお世話になってる間は面と向かって向き合いたい。
あ、いや少なくとも今年は日々の日課にグアバ 仕事を加えようと心に誓ったのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
グアバについてもうちょっとウィキってみた件については次回に書きたいと思う。